雲ゆき日記

関心空間から引越し

映画『ヒミズ』

観て来ました。園監督の映画を初めて観た。(『愛のむきだし』の本は読んでいた。とても良かった。)

ふつうの人には勧めない。

ふつうに生きてるけど、思春期の気持ちを引きずっているような人には勧めます。(自分は後者だ)

観ている間、人間の、“残酷さ”のことを、いろいろと考えました。

目をそむけたくなったシーン→登場人物が暴力をふるうシーン、相手を傷つけると判っていながら相手を傷つける言葉を発する大人たち(子どもの“親に愛されたい”という気持ちを知っていながらお前なんかいなければ良かったと言う)

しかしこれらを残酷と感じるのは私がこれらを残酷だと思うだけのことなのかも?と思ったりする瞬間がある。

だって暴力が当たり前の世界では誰も暴力シーンに傷つかない。「親が子に愛を注ぐのが当たり前」でなかったら、そうでないことに傷つくこともありません。

“私”はこれらのシーンに嫌悪を抱く。ただただ私は嫌なのです。暴力も、虐待も。暴力や虐待が無い世界が私にとっては“正しい”。

どうして暴力を振るいたくなるのか。虐待するのか。その“状況”を考えるべきなのでしょうけど、私はそんな人格者になれないし頭そんなに良くないよ・・・

ってとこまで考えてまた最初の考えに戻ってぐるぐるぐるぐる

家に帰って子どものにおいを嗅ぐ

このような映画が大きい映画館で、R12指定で、みんなが観ることで、果たして

みんなどう思いますか。目を背けたいのは私だけで、隣の夫は暴力シーンに何も思わないと言います。